ことばボックス

僕の希望の世界によろしく

 

 

どうも、みなさんこんにちは。

丁度季節の変わり目、そして例年以上の花粉の飛散量により、体調がすぐれない方たくさんいらっしゃると思います。私も花粉は本当に植物の種存続のために必要不可欠とはいえ、そんなまき散らさなくても…と思います。まあスギにもヒノキにも罪はありません。

 

大変に遅くなりましたアンドいまさらですが、ホソクさんのミックステープについて私の超個人的感想をつらつらと並べていきたいと思います。ワーイ

 

ナムジュンさん、ユンギさんに続いてラッパーラインの真打登場、ホソクさん

正直この3人の中だと、ユンギさんめっちゃカッコイイ、一生背中追わせて!みたいな感じだったのですが、

ホソクオッパと一緒に歩いていく泣 すき泣 となりました(もちろんユンギさんのラップも好きです。ただジャンルが違いますよね)

ホソクさんペンだからだろ?!みたいなツッコミがあるかもしれませんが、もちろんそれだけではありません

ここからは、私がホソクさんのスタイルが好きだと思った理由を、歌詞を交えながら述べていきたいと思います。

 

まず全体的な構成として、全曲通して日本語訳を見ながら思ったことが一つ。

それは、このミックステープでは、前半2曲は「過去の自分と重ねた今の若者たちに向けた曲」、そして残りの5曲は「チョンホソクという人間についての曲」だと思います。ナムジュンさんにせよ、ユンギさんにせよ、ミックステープを出す理由として、今までの自分を自分の言葉で昇華させて改めて自分自身で理解したいからというものがあるのかな、と思うんです。私自身もよくノートとかにずらーっと自分は今こう思うとか、感じたままに書き連ねるんですが、その時初めて「あ、自分こう思ってたんだ」ってすんなり受け入れられる。

ラッパーとしてのナムジュンさん、ユンギさんは、たぶん「表現」をしたくて音楽をしているんだと思います。その表現は自分の経験、とくに辛かったこと。ユンギさんは本当に全体的に灰色のような、どこか落ち着いているけど危ういような、そんな雰囲気。ラッパーつながりでちゃんみなの歌を聴いていて思ったのですけど、ラッパーって常に何かと闘ってるよな、と。その敵は明示されていないけど、なんとなく、「自身を批判する人」に向いている。ラッパーラインのCypherとか顕著ですよね。私は防弾からラップの世界もいいなと思い始めた駆け出しで微塵も知らないぺーぺーなので信ぴょう性はないですが…。

「みとけよ」みたいな。打ちのめされても這いあがっていくっていうギリギリの覚悟が見え隠れして、だからこそカッコイイってなるし、負の感情を怒りに昇華してエネルギーに変えてくれるから好きです。

しかし、ホソクさんはまるでスタイルが違う。冒頭述べたように、①「夢を追うかつての自分を見る若者への励ましの歌」であり、②「チョンホソクという人物についての歌」。

さて、では①についてまず語っていきたいと思います。

①に含まれるのは、1曲目のHope Worldと、2曲目のP.O.P Pt.1。この2曲を通して一貫して、ホソクさんが「伝えたいこと」が歌詞から読み取れます。

それは、自分という人間を知って、興味のあることにはとことんはまって、その中から夢は見つかるはずで、それを持って貫いていけ、ということです。(長い)

自分という人間を知るということは、なにが好きで何が嫌いで、どういうときに喜びを感じて、どういうときに悲しくなったり悔しくなったりするのか、て自分で自分はこういう人間なのだな、とちゃんと知ること。そうすると、おのずと自分の「本当に興味があること」がわかる。それを暴くこと。暴くこと、というのは、1曲目の歌詞の中にも出てきます。

ここで私がこれをきいて思いだしたスナフキンの言葉をひとつ紹介しますね。「自分のやりたいことは、自分の知っていることの中からしか見つからないよ」という言葉です。やりたいこと=夢として自分が追いかけたいものだと思うんです。それがホソクさんにとっては、ダンスだった。そしてそれを実現すること、というのも彼は歌っています。本当に全体的に「希望」の世界であること。歌詞の中で、「信じるものを持って、まるで宗教のように、アーメン」という歌詞が出てきます。

ホソクさんにとって信じるものはイコール彼の夢であり、彼自身なんですよね。宗教って、無条件に信じるものじゃないですか。論理的でもないし、本当にあるのかわからない。わからないけど、力を、希望をくれるものだし、他人がなんと言おうと自分にとっては「絶対」なんですよ。あやふやだけど、確かなもの という意味で、彼は夢(または自分自身)と宗教を重ねたのかなと思います。実際に、「僕は自分を信じて仕事をする 20代」という歌詞が出てきます。夢があるんだったら、それを信じる、それを信じている自分を信じる、みたいな。P.O.Pの歌詞の中に、「幸せの基準は君で、この道を歩く 満たしてあげたいんだ 信頼で」 という部分がありますが、この道というのは、夢に向かって、その夢を実現するための道だと思うんです。ホソクさんにとって大事なことは、「希望」と「信じること」なのだなあと強いメッセージを見ました。

そしてそれを信じてひたすらにぶつかっていくこと。ぶつかると痛いんだけど、しかしかといって、痛みなしではなにも得られないんです。

 

同時に同志に向けたこの歌たちの中でも、アイドルではない人間としてのチョンホソクの顔をのぞかせています。

「Not 純情派」「楽しめ 悪口と気の強い言葉 でも 俺の歌ではやらないよ」

という部分。 大いに楽しもう、でも俺の歌ではやらないよっていうのが、なんともホソクさんらしい

そして私が好きなのは、P.O.Pの「僕らは映画のような人生の中、時にはNG」。僕らの映画~のくだりの前で、Take1,Take2,Take3と出されるんですが、それを実現している途中でも、やっぱりつまずくことはある(=NG)。そのあとに No Pain,No Gainと続くのですが、ここでもやはり「ぶつかっていくこと」に通じます。

韓国って、日本とおんなじ、それ以上に学歴やらなにやらで判断される社会です。ここで政治の話するんか?てためらいましたけど、社会背景ありきの彼の言葉なので、話していきたいと思います。

どうしてここまで彼は夢を持つ若者たちに向けてエールを送るのか、それは彼らにかつての自分を重ねているからだと思います。彼のソロ曲である「MAMA」を聴くと、彼はお父様には夢を反対され、お母さまが味方になってくれたんですけど、お金が必要だったために、地方に働きに出たんですよね。ホソクさんのお父様は先生で、もはや博打とも言えるような「ダンスを職業にする」ということに反対だったと思うんです。ただでさえ若者の就職難が騒がれているし、苦労してほしくなかったんだと思います。韓国は財閥がまだ旧態依然として残っていて、国益の9割くらいが占めるのに、実際に財閥に入っているのは3%ほどしかいない。韓国はむちゃくちゃ学歴社会です。このトップ層に入るために塾をはしごさせたり、ピアノやらなにやら、留学もさせる。しかし、これだけ子どもに投資できるのは、やはり親の経済的余裕があってこそです。のちほどお話しますが、「スプーン階級」なるものも存在します。とにかく貧富の差が激しい。富む者か、貧しい者。その二極分化が進んでいて、中間がいないそうです。

だから、夢を追うのにはあまりにも厳しい現実があるのです。社会の風潮が、夢を枯らしてしまう。だから歌詞の中にも、「就活生」という単語が出てくる。私も就活生の身です。何でこんなことやってるんだろう、私はなにがしたんだろう、就活の意味って何?みたいなことをひたすら考える今、現状その中にいるので、やたら響く。「叫んでも声を出してみても難聴みたいなこの世界」、まさにそう。大体数が「なんとなく」やるなかで、怒りをぶつけてみても、「周りがやってるから」「大企業にはいらなきゃ」みたいな社会の風潮は変わるはずもなく。

でも、ホソクさんはやっぱり夢をあきらめてほしくない、だからこの国のために喜んで銭を投じるを歌っていました。この国っていうのがまたリアル。

さてまあそんな厳しい社会背景も絡んでるんですよね

ということを伝えたかった。

 

3曲目からは、②に移ります。「チョンホソクってこんな人」という、他者から自分へとベクトルがチェンジ。最後のBluesideまで、一貫して「チョンホソク」の中身について語っています。しかし前の2曲の雰囲気は壊さず、ソフトにチョンホソクの心の海、海底2万マイルへの旅は始まります。Daydreamは素直に彼の欲を歌っていて、人間くさくてすごく好きです。

私はなかでも「base line」の中で、ホソクさん自身の軸が書かれているなあと思いました

彼のすべての基準は希望であり、夢である。ひたすらに俺の成功の基準、基準がつまりベースラインなのですが、これは俺の世界、hopeworldそれ自身なんだと力強く歌っています

ここでひとつ、歌詞を取り上げたいと思います

「俺のスプーンで全部食べ尽くす」という一文がありますが、先ほど韓国社会の貧困に触れた際にちらっと出てきた「スプーン階級」のお話に繋がってるのではなかろうか?と思いました

韓国は先ほども述べたように、貧富の差が激しく、格差が社会問題になっているほどです

しかし、その格差がなくならない理由がこのスプーン階級を通して見えてきます

スプーン階級とは、もともとイギリスのことわざに由来しており、子どもが産まれた時にその子がくわえているスプーンの色で将来が決まる、といったものです(裏を返せば、その子がいくら努力しても自分の身分は変えられないということ)

韓国ではこれが最もいい金から、1番下の土まであります。

金持ちの子は金持ちだし、貧しい家庭は貧しいまま。なぜか?先ほども触れた通り、「学歴社会」が起因してます。学歴社会、詳しく言えば、韓国の大学スリートップであるSKY大学(ソウル大、高麗大、延世大)と呼ばれる大学に入らないとそもそも財閥に入れてもらえなかったりします

もちろん頭がよくないとこの大学には入れません。もとからできる子もいるのでしょうが、もちろんそればかりではありません。ではどうするか?塾に行かせますよね。しかしお金がかかる。まあかかる。しかも韓国社会、学歴の他に8つほど就活するさいに必須なスペックがあるのです。就活9点セットみたいな

「学歴」「成績」「TOEIC」これが基本の3点セット。これに「語学留学」「資格」「コンペ入賞」「インターン経歴」で7点セット、さらに「ボランティア」そして「整形手術」で9点。見るからにお金がかかる。

しかしそれでも財閥に入れる人たちなんてほんの一握り。でもその一握りへの可能性をかけて親は投資する。でも、その投資のお金が、ないんです。ここが格差が埋まらない原因。はじめのスプーン階級に戻ります。つまり、お金持ちの家は子どもに莫大なお金をかけれるだけの財力がある、しかし貧しい家はそのお金がないから、必須条件の「学歴」への道さえも閉ざされてしまう。

韓国で成功するということは財閥に入って勝ち組の仲間入りをすることではないのかな?とか思ったりします こんな就活9点セットみたいなのが存在しているし、ヘル朝鮮なんて言葉も存在します。(私はKpopというわりと華やかな部分しか知らなかったので、韓国の貧困事情聞いた時は、そんなまさか、と思いました。興味ある方はぜひ本とか読んでみてください)

そんなスプーン階級のなかでおそらくホソクさんは、確実に金のスプーンではなかったでしょう。それでも、俺はそんな階級なんか俺のスプーンで全部覆してやったけど、みたいな社会風刺が隠されているのかな、と思いました

 

では最後に、

なぜ、この曲順にしたのか?

それはホソクさんの人への歩み寄り方なのかな、と思います。まず大々的に「希望」を語る世界への招待状、サビ部分の「Hello to my Hope World」、俺の希望の世界によろしく、つまりこれが自身の描く世界であり、ホソクさんの世界への入り口なのです。

しかし2曲ポップなホープワールドが繰り広げられたのですが、3曲目にDaydreamという、J-Hopeというアイドルではなくチョンホソクの人間としての素直な欲望を歌っています。しかしあくまでも曲調はポップなホープワールドを残しつつ、彼自身の中身について、まず「俺ってでもやっぱり人間だからさ」というような、本当にあくまでも、彼の内に秘める心の海に一歩だけ引き入れます。

ここでいきなり曲調が1Verseの時のような、厳ついものへの急にギアチェンジ。しかし彼の海に浮かぶ島=最初の2曲の内容も踏まえたものです。彼は心の内も表面も、ベースラインは変わらず「希望」なのです。悪口をわざわざ自ら当てはめていくことに何の意味があるのか?とまるで憎悪を毛嫌いしているような雰囲気が垣間見えます。

そしてラスト2曲は、ホソクさんの言葉で言う、「海底2万マイル」を突き抜けた先に在る静寂で熱い場所が描かれています。AirPlaneでは曲調もゆったりただようような、それでいて彼自身の声ははっきりと強く耳に響いてきます。そして最後のBlueSideは、海の底のように、静かな場所。

チョンホソクの心の層(海底2万マイル、より先まで)をHopeWorldは案内しているのです。

人間だれしも、心の奥底を初対面で伝えるのはなかなかためらわれることだし、さらけ出せないです。だから、人間関係構築の順番で、この曲順にしたのではないかな、と勝手に思っています。

そしてまた、最初のHopeWorldの入り口に立てば、また違った見え方をする。そんなからくりをこっそりと忍ばせてくれているんじゃないかな、勝手な解釈ですけども

 

f:id:ylsn1572:20180405193855j:image

 

ここまで読んでいただきありがとうございました!